大人の歯がはえてこない？

永久歯の先天性欠如とは生まれつき歯が足りないことを言います。通常、永久歯は親知らずを除くと全部で28本あります。

先天性欠如が起こる歯は大体1～2本で多くても6本程度です。

〈先天性欠如になる原因〉

通常、永久歯が成長すると、乳歯の根は溶かされていきます。その結果、乳歯が自然と抜け落ちます。しかし永久歯がないと乳歯の根がとけることがありません。それにより、乳歯が残ってしまい「大人乳歯」になるのです。

〈先天性欠如だった場合の治療方法〉

⑴　乳歯が抜けていない場合

乳歯が残っている場合は、そのまま大切に乳歯をケアして下さい。但し乳歯の寿命は永久歯より短く、大切にケアしても30代、長くても40代までしか持ちません。

更に、乳歯は永久歯よりも虫歯の発症リスクが高く、進行するスピードも早いです。その理由は、永久歯よりも歯質が弱いからです。厚みも永久歯の1/2程度ですので、虫歯になって歯が溶け出すと、すぐに歯の神経まで到達してしまいます。

⑵　乳歯が抜けている場合

抜けていても、かみあわせが安定していると判断した場合は、一度様子を見ます。ただし、歯が抜けたままでいると隙間が生じることで、咀嚼や歯並びに悪影響を及ぼしてしまいます。

◇　10代のうちに乳歯が抜けた場合

入れ歯で補う、又は他の永久歯が生えそろったタイミングで矯正治療を行う治療選択になるかと思います。インプラントの手段もありますが、まだ顎の成長がみられる時期ですのでお勧め出来ません。

◇　20代以降に乳歯が抜けた場合

インプラント治療やブリッジといった補綴物での修復が可能です。

〈乳歯が抜けた後そのままにして起こるデメリット〉

⑴　すきっ歯

すきっ歯になると、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなります。

⑵　正中のずれ

隙間があると歯が移動しますのでかみ合わせもずれてしまうことがあります。

⑶　隣の歯が傾く、歯が伸びる

隣り合っている歯が傾いたり、嚙みあう歯が伸びたりします。その結果、歯並びが悪くなることもあります。歯並びが悪いと、歯磨きや食事にも悪影響を及ぼします。

〈まとめ〉

永久歯がなかなか生えてこない場合、見た目だけで判断出来ませんので、先ずは歯科医院にてレントゲン撮影をお勧めします。レントゲンで永久歯先天性欠如や埋伏歯があるかどうかをしっかりチェックしますので、心配な方はお気軽にご相談下さい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しただ歯科　笹川弘康