よく、お子様の歯の生え変わり時に大人の歯が黄色くて受診されるかたが少なくありません。これは正常なことですので安心してください。
個人差はありますが一般的に6歳前後~12歳くらいに乳歯から永久歯へと生え変わります。
歯は幾つかの異なる組織が層となって1つの歯となっています。
一番表面に見えているのが「エナメル質」といって最も固い組織で、無色半透明になります。その下に「象牙質」という黄色味がかった組織があります。
つまり歯の色はエナメル質の色ではなく、その内側にある黄色味がかった象牙質の色が見えています。黄味具合は象牙質の厚みによって変わります。
永久歯の象牙質は乳歯に比べて厚いため、黄色く見えるのです。
特に生え変わりの時期は乳歯と永久歯が混在しているために永久歯の黄味が目立ってそう見えてしまいます。
決して悪い症状ではないので安心してください。
しかし、一方で似たような見た目で「エナメル質形成不全」と言われる症状があります。
エナメル質形成不全は表面のエナメル質が生まれつき作られず、歯の一部に白・黄色・茶色の変色があったり、むし歯ではない欠けがみられる状態です。
この症状は乳歯・永久歯に関係なく見られ、その部分の歯質は通常よりも弱くなっています。
エナメル質形成不全の歯は歯質が弱いために、虫歯になりやすく又、進行が早いと言われています。
とは言え、エナメル質形成不全の歯も、フッ素入りの歯磨き粉や、歯科医院で使用する予防用の薬剤を使ってしっかりケアしていけば問題ありません。
見た目には区別がつきにくいので、子供の歯の色が気になられた時は是非一度ご相談ください。
しただ歯科 笹川弘康