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骨粗鬆症と歯周病の関係について

皆さん、こんにちは。最近、身近に耳にすることが多くなった骨粗鬆症ですが、今回は歯周病との関わりについて述べていきたいと思います。

歯周病は歯周病原細菌に感染することで歯周組織に炎症が起こる病気で、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、肺炎など、全身の病気と関わりが深いことが分かっています。骨粗鬆症もその一つです。

骨粗鬆症は骨の量が減ってもろくなり、折れやすくなっている状態、もしくは骨折を起こした状態のことです。骨は常に、古い骨を壊して新しい骨を作り出す骨代謝を繰り返して強度を保っていますが、骨粗鬆症ではこのバランスが崩れて骨を作る量よりも骨を壊す量の方が多くなり、骨がもろくなってしまいます。

骨粗鬆症は中高年に多く、特に、60歳以上の女性に多く見られます。運動不足や栄養の偏り、お酒の飲み過ぎなどの生活習慣や喫煙、糖尿病といった病気の影響もあります。

次に歯周病との関係ですが、閉経後の女性で骨粗鬆症になっている人はそうでない人に比べて歯茎からの出血が多く歯周病の活動性が高い傾向があります。それと同時に、歯を支えている歯槽骨の吸収が進んでいる事があげられます。

歯周組織の炎症が進むと、歯槽骨が溶けて歯がグラグラするようになりますが、骨粗鬆症の人では歯槽骨がもろくなっているため、その進行が加速され歯を失うリスクも高まります。

骨粗鬆症が増える60歳代以降は、歯周病により歯を失う人が増える年代と重なります。特に、閉経後の女性は歯周病と骨粗鬆症の対策を同時に行うことが大切と言えるでしょう。又、タバコは歯周病も骨粗鬆症も悪化させるので、禁煙をお勧めします。

そして毎日の食事も大切です。カルシウムの摂取量が少ないと、歯周病のリスクが高まることが分かっています。カルシウムは骨の材料となり、骨粗鬆症の予防にもなりますから、カルシウムが豊富な牛乳、大豆、緑黄色野菜、小魚などを積極的にとるようにしましょう。

歯周病で歯を失うと、食べ物を嚙む力が衰えて、栄養が偏ったり食事の量が少なくなる恐れがあります。するとカルシウムなどが不足して骨粗鬆症が悪化するという悪循環を招いてしまいます。

そうならない為にも歯周病と骨粗鬆症は一緒に予防を心掛けると共に、もし発症した場合は、症状が軽いうちに治療するようにしましょう。

しただ歯科 笹川弘康