皆さん、こんにちは。
今回は歯の中心から3番目の犬歯について解説していきます。
歯には食べ物を咀嚼して消化を助けるという働きは勿論のこと、顎の動きをコントロールすると同時に、顎を常に正しい位置に保つという働きもしています。
特に犬歯が嚙み合わせの誘導に大切な役割を担っています。犬歯は先が鋭く、動物でいう牙の名残といえ、本来は獲物を切り裂くために重要な働きをしている歯です。人は獲物を捕らえて食べることはしませんので先が尖っている必要がないのですが別のことに役立っています。
犬歯は糸切り歯とも呼ばれ、中切歯、側切歯と共に前歯に含まれます。すぐ隣は第1小臼歯であり、丁度前歯と奥歯の境目にあたることから、犬歯は嚙み合わせの目印として働きます。つまり、上下の顎が正しく嚙み合うようにガイドする役割があるのです。犬歯の尖った部分が引っ掛かりとなって、嚙み合わせのずれも常に正しい位置に誘導して戻すことができるのです。
実際に顎を少し左右に動かしてみて下さい。犬歯が当たってそれ以上はずらせないはずです。下顎が横方向にずれないように犬歯がストッパーの役割を果たしているのが分かります。と同時に犬歯が当たることで、他の歯は接触せずに浮いて離れます。歯軋りで左右に揺さぶられることに弱い奥歯ですが、犬歯が左右の動きを受け止めてくれることで、奥歯など他の歯に負担がかかるのを防いでくれているのです。
犬歯の根は永久歯の中で最も長く頑丈に出来ているので横から受ける力にも強く、寿命も長い歯です。又、審美的にも重要な存在で、前歯の中では唯一、尖った形をしているのでそれがアクセントとなり口元の魅力を倍増させていると言えます。
今回は犬歯について注目してきましたが嚙み合わせ、歯の誘導から顎の動きについて気になる点がございましたら、しただ歯科へお気軽にお問い合わせください。