私達は普段、何気なく一日数回食事をしていますが、皆さんは
よく噛んで食べる事を意識していますか?
嚙む力を維持していくことは食生活や体の健康に繋がっています。
人間の嚙む力は食事の時でだいたい自分の体重位の重さがあるといわれ、男性は60㎏、女性は40㎏ほどと言われています。
ちなみに、カバ、クジラは1トン、熊は800㎏、サメは600㎏、ライオンは455㎏、狼や大型犬は150㎏、と言われています。
嚙む力が衰えると食事が楽しくなくなったり、柔らかいものばかり好んで食べるようになります。そうすると、咀嚼の回数が減り、脳への刺激が減少することで、認知症やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病にまで発展する事が考えられます。
又、嚙む力が衰える理由は老化、食生活の変化、虫歯、歯周病などの口腔疾患によって歯を失う事でも嚙む力は低下します。
嚙む力を保つためには出来るだけ歯を失わないことが大事です。
近年では高齢者だけでなく子供の嚙む力も弱くなっているという声もあります。乳歯から永久歯に生え揃うのは大体12歳前後で、その頃は嚙む力も乳歯だったころのおよそ3倍になると言われています。
筋肉や歯の発育、発達状況によって嚙む力や飲み込む力には個人差があるので、お子様の歯の生え方や食事の様子を観察して、硬すぎず柔らかすぎない食事をするように工夫するとようでしょう。
嚙む力を鍛えるために日々の食事で、嚙む習慣を身につけることも大切ですが、虫歯や歯周病予防を行い、歯を失わないように取り組むことも大切です。歯の健康、寿命を守るために毎日のブラッシングに加えて、3ヶ月~半年に1回は歯科医院で定期検診を受けて口腔内をチェックしてみてはいかがでしょうか。
しただ歯科 笹川弘康