こんにちは、しただ歯科の笹川弘康です。
今回は指しゃぶりの歯に及ぼす影響についてお話していきます。
赤ちゃんは指しゃぶりをしますがその理由として3つ挙げられます。
1つ目は母乳やミルクを吸う力をつけるため、2つ目は口に入れることで自分の指や物の形、感触を確認するため、3つめは退屈なときや眠い時にすると言われています。そして通常、指しゃぶりは生後2~3か月頃に始まります。この時期は生理的な行為のため心配する必要はありません。
その後、成長して様々なものに興味を持ち始めたり、遊んだりすることにより指しゃぶりをする回数が減っていきます。大体、3歳頃から保育園や幼稚園で子ども同士遊び、社会性を学んでいく中で自然とやめる子が多くなってきます。しかし、指しゃぶりをやめられず続けていると出っ歯や不正咬合など歯並びや嚙み合わせに影響します。その為、歯や顎が発達してくる4~5歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合はやめさせるようにした方が良いでしょう。
指しゃぶりをやめさせるには、指しゃぶりをしている時に声を掛けたりして他の事に興味を向けさせたり、子供と遊んで相手をしてあげるのが効果的です。それでもやめない場合は、指に好きなキャラクターの絆創膏を貼ったり手袋をはめさせ指しゃぶりをした時に違和感を与えるなどの方法もあります。そして、少しでも指しゃぶりが減ってきたら子供を誉めてあげる事も大切になってきます。逆に、子供を怒っても指しゃぶりを止めさせることは出来ません。また、おしゃぶりを代わりに与えてもおしゃぶりも歯並びや嚙み合わせに影響を与えます。おしゃぶりは2歳までに止めるのが理想です。
これまで指しゃぶりを長期間することにより影響があるとお話ししましたが、では実際にどういった影響があるのか紹介していきます。
・上顎前突(出っ歯)
指の力で上の前歯や上顎が前にでている状態です。
・口呼吸
上顎前突になると唇が閉じにくくなり、口呼吸をするようになります。口呼吸をすることにより口が開いたままになるため口の中が乾燥しやすくなります。
・開咬
奥歯は嚙み合っていても上と下の前歯がかみ合わず隙間が出来ている状態です。
・舌癖
上下の前歯の間に隙間ができることにより、その隙間に舌を押し込んだりする癖ができやすくなります。
・構音障害
舌癖があることにより喋るときにはっきりと喋れない舌足らずな発音になる事があります。
〈まとめ〉
今回は指しゃぶりを続けた場合の歯並びや嚙み合わせの影響についてお話してきましたが、指は色々な場所に触るため雑菌がつきやすいところでもあります。よって、外にいる様々なウイルスや雑菌が指につくと体内に入りやすくなります。現在はコロナウイルスも流行っているので免疫力の弱い赤ちゃんのためにも外での指しゃぶりは出来るだけやめさせましょう。又、お出かけから帰ってきたら手洗いをするように週間付けましょう。